報告ガイドライン(Reporting Guideline)とは「著者が特定のタイプの研究を報告する際に指針となるチェックリスト,フロー図,または構造化されたテキストのことで,明確な方法論を用いて作成されたもの」と定義されます[1].報告ガイドラインは研究報告の完全性と透明性を向上させることが期待でき,読者の理解度を高め,研究者による再現性を高めることにもつながることから,現在医学雑誌では投稿規定において報告ガイドラインへの準拠を求めています.
全日本鍼灸学会雑誌においてもRCTを投稿する際にはCONSORTおよびCONSORT-NPT,STRICTAといった報告ガイドラインや,観察研究の場合にはSTROBE,システマティック・レビューの場合にはPRISMAなど,各種報告ガイドラインへの準拠が求められています.
これらのガイドラインは報告の際だけでなく,研究遂行時に事前に内容を把握しておくことによって,研究の質の担保にもつながることが期待されます.
よって,臨床情報部では以下に主要な報告ガイドラインを紹介します.これ以外の報告ガイドラインを確認される場合はEquator Network(https://www.equator-network.org/about-us/)を検索してください.
○CONSORT 2010(ランダム化並行群間比較試験のための報告ガイドライン)
原版:[PLoS Med. 2012;7(3):e1000251.]
日本語版:[ライフサイエンス出版 JPT ONLINE]
Explanation and Elaboration(解説と詳細):[BMJ. 2010;340:c869.]
○STRICTA 2010(鍼の臨床試験における介入の報告基準)
原版:[PLoS Med. 2010;7(6):e1000261.]
日本語版:[全日鍼灸会誌. 2013;63(3):186–204.]
○STROBE(観察研究の報告に関するガイドライン)
原版:[PLoS Med. 2007;4(10):e296.]
日本語版:[ライフサイエンス出版 JPT ONLINE]
Explanation and Elaboration(解説と詳細):[PLoS Med. 2007;4(10):e297.]
○PRISMA 2020(システマティック・レビュー報告のためのガイドライン)
原版:[PLoS Med. 2021;18(3):e1003583.]
日本語版:[ライフサイエンス出版 JPT ONLINE]
Explanation and Elaboration(解説と詳細):[BMJ 2021;372:n160.]
○CARE(症例報告のための報告ガイドライン)
原版:[BMJ Case Rep. 2013:bcr2013201554.]
日本語版:[日本臨床腫瘍薬学会雑誌. 2024;35:6–13.]
1) Moher D, Schulz KF, Simera I, Altman DG. Guidance for developers of health research reporting guidelines. PLoS Med 7(2): e1000217. doi:10.1371/journal.pmed.1000217