Japanese Acupuncture Comprehensive Literature Database
JACLiD(ジャクリッド)は主として日本国内の鍼灸学術論文の書誌情報を収載したデータベースです。医中誌WebやPubMedには収載されていない古い論文や灰色文献(通常の商業出版ルートで入手が困難な文献)の書誌情報も含んでいます。系統的に一定のテーマに関する論文を検索するにあたっては医中誌WebとPubMedを用いることが前提ですが、さらに補足的・網羅的に文献を探索したい場合に有用な文献リストです。(2019年以降の更新はありません)
1.JACLiDの概要
2.JACLiD利用時の注意事項
①学術・調査目的での使用を想定して公開していますので,営利目的の使用は禁じます.
②本サイト以外でコンテンツの全部または大部分の転載やアップロードは禁じます.
③その他、JACLiDの不適切な利用に該当するかどうかは当学会が判断いたします.
3.文献レビューにおけるJACLiDの限界
JACLiDはすべての鍼灸関連文献を網羅しているわけではありませんから,システマティック・レビューに用いる場合は,最低でも医中誌WebとPubMedでの検索を行うことが前提であり,その補足的役割を担うことになります.また,書籍情報は収載されていません.
2.JACLiD事業の経緯
平成18~19年度(2006~2007)文部科学省委託事業(科学技術振興調整費)の一環として,鍼灸分野の臨床・教育・研究に寄与することを目的に,受託機関である鈴鹿医療科学大学が「鍼灸臨床研究論文データベース」を開発・構築しました.このデータベースは平成20年(2008)9月に本学会に「鍼灸医療総合文献データベース」として移管・再構築され,平成24年度(2012)に「鍼灸文献データベース」(JACLiD,ジャクリッドと読む)と改称されて管理運営されてきました.
本学会への移管と再構築は,鈴鹿医療科学大学(担当:東郷俊宏),研究部(部長:川喜田健司)の適応症委員会(委員長:井上悦子,委員:七堂利幸,古屋英治,高橋則人,金子泰久,浦山昌生,横山浩之),医学中央雑誌刊行会(担当:豊玉速人)の尽力により達成されました.適応症委員会は,平成20年度(2008)よりデータベース委員会(委員長:井上悦子,2012~高橋則人)に改称・改編され,データベースメンテナンス班(班長:木村研一,2014~保坂政嘉)およびエビデンス抽出班(班長:金子泰久)に所属する多くの班員とともに,本データベースの管理,コンテンツ充実,啓発などの活動が継続されました.その後,部の再編を経て,令和2年(2020)から臨床情報部(部長:山下仁)のエビデンス委員会(委員長:大川祐世)が管理しています.
JACLiDは当初,①国内初の鍼灸関連文献の書誌情報を網羅的に収載,および②主要な鍼灸臨床研究論文の評価レポートの掲載を主な役割としていましたが,学会内外からの運営資金の削減,医中誌Webの文献網羅範囲の拡大,ボランティア人材の不足などにより,令和元年度(2019)から情報更新を中断し,役割と活用方法の見直しが行われました.
医中誌WebおよびOld医中誌がカバーする鍼灸関連書誌情報量の増加に伴い,鍼灸学術情報の検索という側面でのJACLiDの役割は縮小しました.それでも医中誌Webに収載されていない明治時代からの古い論文や灰色文献(通常の商業出版ルートで入手が困難な文献)の書誌情報を有しているため,JACLiDは近代鍼灸医学史の文献探索,および系統的かつ徹底的な文献探索が要求されるシステマティック・レビューおよびメタアナリシスの遂行には有用です.